「自己効力感」は、数年前から日経新聞などのビジネスメディアで取り上げられる機会が増え、最近ではテレビ番組でもコメンテーターが言及するなど、一般にも広く知られるようになってきました。
自己効力感とは、「自分はできる」という感覚 のことを指します。
この概念は、アメリカの心理学者 アルバート・バンデューラ によって提唱されました。自己効力感が高い人は、困難な状況に直面しても目標達成のために行動を適切にコントロールし、失敗を恐れずに努力を続けることができます。
しかし、組織開発においては、自己効力感だけを高めても十分な成果にはつながりません。
個人の成長には、もう一つ欠かせない要素があります。それが 「自己肯定感」 です。
自己肯定感が土台となる
自己肯定感とは、「ありのままの自分を受け入れる感覚」 のこと。
自己肯定感が高い人は、自分の存在意義を肯定的に捉え、他者との比較や評価に振り回されることなく、安心感を持って行動することができます。
自己肯定感は、自己効力感を発揮するための土台となります。
自己肯定感が高いからこそ、失敗を恐れずに新しいことに挑戦し、その過程で自己効力感を高めていくことができるのです。
組織に求められる「自己肯定感 × 自己効力感」
組織においては、自己肯定感と自己効力感の両方が高い人材の育成が重要 です。
この二つが揃った人材は、困難な課題にも前向きに取り組み、周囲を巻き込みながら目標達成に向けて努力することができます。その結果、企業の持続的な成長にもつながります。
実際に、当協会が支援している大手飲料メーカーでは、自己肯定感と自己効力感の両方を重視した人材育成を積極的に推進しており、すでに再来年までの研修予約をいただいています。
研修では、座学だけでなく、グループワークやロールプレイングを取り入れた実践的なプログラム を通じて、自己肯定感と自己効力感を効果的に高めています。
企業が人材育成に力を入れることで、従業員のエンゲージメントが向上し、組織全体の生産性が高まることが期待できます。
自己肯定感と自己効力感は、個人の成長だけでなく、組織全体の成長にも不可欠な要素なのです。